大判例

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仙台高等裁判所 昭和47年(ネ)78号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕二、被控訴人らは、控訴人は本件事故車の保有者である旨主張するので、この点について判断する。<証拠>には、控訴人は昭和四四年三月本件事故車を購入し、外山義男が控訴人からこれを借りてきた旨の記載部分があるが、右記載部分は当審証人外山義男の証言、原審におけるにおける相被告外山義男(第一、二回)、、原審(第一、二回)および当審における控訴人の各本人尋問の結果にてらしてたやすく措信できず、右甲号証を措いては他に右主張事実を認めるに足る証拠はない。

却つて、<証拠>を綜合すると、控訴人は雇書地に居住し、自動車運転手として東京都内の会社に勤務し、小型トラック一台を所有し通勤並びに会社の業務用に使用していたが、東京都内では他の地方に比し格安に自動車を購入できるところから、妻みつ江の弟である原審相被告外山から自動車の買受名義人になつて同人のため購入してもらいたい旨依頼されたため、これを承諾し、昭和四四年三月三一日トヨタオート東都株式会社との間に本件事故車を代金六七万三、三〇〇円で買い受ける旨の契約を締結し、右契約と同時に代金内金として金一七万六、三〇〇円を支払い、残代金四九万七、〇〇〇円を月賦(毎月金二四、八〇〇円宛二〇回)で支払うこととし、同会社に対し右月賦金支払いのため控訴人振出名義の約束手形を振り出したこと、自動車登録原簿上は本件事故車使用者は控訴人名義に登載され、また自動車損害賠償責任保険契約関係においても契約者名義は控訴人、その使用の本拠も控訴人の住所地となつてはいるが、本件事故車は、前記会社から控訴人に引き渡された直後、控訴人から原審相被告外山に引き渡され、爾来原審相被告外山において茨城県結城郡千代川村宗道一、二八七番地の住所地で保管して、専ら同人の通勤およびレジャー用に使用して来たもので、控訴人は一度も本件事故車を使用したことがないこと、本件事故車の買受と同時に支払われた前記金一七万六、三〇〇円は、原審相被告外山所有の中古車を売却した代金から支払われ、また残代金の月賦金も毎月原審相被告外山から送金を受けて控訴人が前記会社に支払つていたことの各事実が認められる。これらの事実からすると、本件事故車の実質上の買主は原審相被告外山であつて、控訴人は原審相被告外山のため単にその買受名義人となつたにすぎないばかりか、本件事故車の運行を支配し、かつその運行による利益を得ていたものでないことが明らかである。それ故、控訴人は本件事故車の保有者に該らないというべきである。

三 以上認定の如く、控訴人が本件事故車の保有者に該らない以上、控訴人が本件事故車の保有者であることを前提として控訴人に対し本件事故に基づく損害の賠償を求める被控訴人らの各請求は、その余の点を判断するまでもなく理由がなく、いずれも失当として棄却すべきである。

(兼築義春 桜井敏雄 佐藤貞二)

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